実写版ライオンキングのフェイク動画
実写版のライオンキングの映像をアニメ風に加工したものが話題になっている。
I used "deep fakes" to fix the Lion King
この映像はAIのディープラーニングから生まれた「ディープフェイク」の技術で作成されている。
今回はアニメ風に加工する形で使用されているが、本来ディープフェイクの技術は実写風に加工する為に使用される。
最新のフェイク動画技術(TEDより)
Fake videos of real people -- and how to spot them | Supasorn Suwajanakorn
動画の映像を見る限り、最早人間の目で映像の真偽を確かめる事は不可能に思える。
数年前までは、実写風のフェイク映像制作はハリウッドの最新CG技術と莫大な費用を使って製作されているイメージだったが、AI技術の進歩により、急速に安価に制作できる環境が整いつつあることが分かる。
証拠能力を失う防犯カメラ映像
今回の様なライオンキングのフェイク映像なら笑って見ていられるが、現実社会へ目を向けると呑気に構えていられない。
これほどの映像技術が比較的安価に使用できるとなると、世の中に存在する映像資料は、犯罪を立証する為の証拠能力を失うことになりかねない。
これまで犯罪抑止の効果を発揮してきたはずの防犯カメラは、「アングルの固定された防犯カメラはフェイク映像に適している」という観点からも、その存在価値を大きく損なうことになる。
犯罪者の行動分析など、監視カメラ映像の存在価値は残るにしても、犯罪場面の決定的な証拠資料とはなりえない事になる。
犯罪者にとっては、正に「僥倖」
何しろ、犯罪の証拠として監視カメラ映像を突きつけられても、「これはねつ造だ!」と言い張ってしまえば、実際技術的に可能なだけにその言い分が通ってしまうことになる。
今後は顔部分だけでなく、衣服や背格好、車のナンバープレートに至るまで、フェイク技術の応用範囲の拡大は止められないだろう。
気が付いたら自分が犯罪者に?
あなたに恨みを持つ人間が、あなたの画像データを使ってでっち上げの犯罪映像をネットにアップ。知らない間に犯罪者に仕立て上げられるという可能性も、今後は否定できない。