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映画『ジョーカー』警告!心の弱い人は絶対に見てはいけない【理由】(ネタバレ/評価)



映画『ジョーカー』特報

見てはいけない理由とは?
最初に断っておくと、この映画はジョーカーというタイトルこそついているが、ヒーローモノでも何でもなく、唯の社会派ドラマだという事。空飛ぶヒーローも出てこないし、超能力を使った派手なバトルも無い。

 

感情移入

バットマンに登場するジョーカーは本来狂人である。快楽目的で犯罪を犯すサイコパスの走りともいえる人物であり、到底感情移入できる対象ではない。

ダークナイトのジョーカーに「純粋な悪」として、無敵とも言える力を持った特異な存在に魅力は感じても、彼の嗜好に共感した人は少ないはずだ。
しかし、本作のアーサーは、唯の社会的弱者でしかなく、彼の抱える様々な問題はどれも少なからず私たち自身の生活に通底するものだ。
例を挙げていくと、格差問題、家庭問題、仕事の悩み、心の悩み、いじめ問題・・とキリがないほどの社会問題を彼は一身に背負っている。
映画の冒頭から、陰鬱な音楽と共にアーサーに次々と襲い掛かる理不尽な出来事や暴力に、観客は同情を禁じ得ない。

 

同情から共感へ
あまりにも厳しい現実に打ちひしがれるアーサーの姿を見続けるうちに、これは他人ごとではないと気がつく。
自分が普段おぼろげに感じている社会への不満や怒りの感情を逆なでされ、それが喚起される。
そして、最初は安全な場所から見ていたつもりが、自分もアーサーと同じ弱者の立場である事に気づかされる。「あんただって同じだろ?」とスクリーンからアーサーが語りかけてくる。

 

 

現実を変える力。彼の持つ唯一の武器とは?
アーサーが現実から逃れる為に使った武器は同僚から手に入れた安物の拳銃一丁だった。
しかし、銃社会ではない現代日本において、武器を手に現実を変える事は難しいと感じるかといえば、
答えはNOだ。
なぜなら、拳銃は一つの象徴に過ぎず、彼の持っている本当の武器は「弱さ」だからだ。
肉体的、精神的、社会的な弱さを抱えたアーサーには逃げ場も拠り所も無い。
何か一つでも逃げ込む場所があれば、彼の凶行は止められたかもしれない。
精神的に追いつめられた人間は視野狭窄になり、逃げ場を見失う。
逆説的だが彼をカリスマに変身させた力の源泉は、その圧倒的な「弱さ」にあったと言える。

武器は何だって構わない。
 

次第に狂わされる感覚

終盤次々と殺人を犯すアーサーの姿を見て、カタルシス(爽快感)を感じたあなたはとても危険な状態だと言える。
後半の殺人シーンはそのリアルな描写から受ける暴力性に普通なら嫌悪感を強く感じるはずだが、そこまでに至る経緯があまりにも鮮烈で、観客は彼の暴力にすら共感してしまう。
映画を通してロジカルに計算されつくした彼への感情移入を促す流れによって、いつの間にか感覚が狂わされ、ついにはジョーカーこそがヒーローなのではないか?という錯覚すら覚えるようなる。

あなたは大丈夫?


 

 

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