最近ハマっているザコシショウの誇張され過ぎた物まねシリーズ動画。
彼の異様な風体から繰り出されるパフォーマンスは、観る者を圧倒するインパクトがある。
しかし、これを心理学的に分析するとその「危険性」が見えてくる。
今回の記事は実際の心理学実験の結果から得られた知見を元に、その危険性について指摘していきたいと思う。
ザコシショウの誇張しすぎたものまね研究所 #33.999999996
●記憶は「印象」によって書き換えられる !?
過去の記憶、印象に残っているような出来事の記憶は誰しも鮮明に覚えていると思い込んでいる。
でも実際は、後付けで付与された情報によって記憶の中身は変化していく。
●「誇張された物マネ」の元祖といえば、コロッケ
彼の五木ひろしや美川憲一などの実物とは大きくかけ離れた物まねを見せられているうちに、「あれ、そういえば五木ひろしってこんなんだったっけ?」と困惑した記憶が誰しもあると思う。
シショウのネタは、「誇張」の枠を超えて「ねつ造」の域に達しており、最早元型を全くとどめていない事は誰の目にも明らか。
そんなシショウのネタを見続けるうちに、知らず知らずのうちに自分の記憶が干渉され、書き換えられているとしたら・・・?
●心理学実験により証明された「記憶のねつ造」
「衝突」か「激突」か?
ある有名な心理学の実験で、車の衝突場面の映像を見せられた後、その内容に関しての質問を被験者が回答する。その際、ちょっとしたトリックを使って記憶を操作出来る事が証明されている。
そのトリックとは、映像を説明する際に車の「衝突」と表現した場合と「激突」と表現した場合で、たったこれだけで見た人の感想は大きく変わる。
具体的には「激突」と説明された人は、「衝突」と説明された人より、衝突時の車の速度が平均して4~5キロ速いと回答した!
更に後日改めて映像内容の説明を求めた際、「激突」と説明された人の中で、実際には映像には映っていないガラスの破片について語る人も現れた!
●記憶を書き換える主な要因とは?
①スキーマ
スキーマとは、心象や固定観念を指す。当人の思い込みや決めつけで、記憶の一部または全てが書き換えられてしまう可能性がある。
人の記憶は心理状態などに大きく影響を受けてしまう為、特に犯罪場面など心理的負担が大きく掛かった場面での記憶は誤りである事が多い。
②暗示
先ほどの心理実験もこのケースで、後づけの情報や印象操作で記憶その物が書き換えられてしまうケースがある。事件捜査で厳しい取り調べの結果、犯罪記憶を植え付けらえてしまい、それが冤罪を生み出してしまったケースが多く報告されている。
ザコシショウの動画は正にこの「暗示効果」を持っており、任意の人物に対する記憶を歪め、リライトされてしまう恐れが大いにある。
シショウの物まねを見ているうちに正しい記憶が書き換えられ、誇張されたものに置き換えられてしまうのはこのせいだと言える。
シショウ自身が、ネタの途中で「本人はこんなことやってないですよ?」と断りを入れるあたり、確信犯である事は明白だ。
自分の記憶が歪められても構わない、そんな勇気のある人以外は、シショウの動画鑑賞を今後控える事をお勧めする。