Twitterのタイムラインを眺めていると、激情に駆られ対象をより激しい言葉や表現で非難する投稿ほど、共感を集め、拡散されやすい傾向がある事が分かる。
ネットの利点はその匿名性を担保に、本音でものを言い易いという事が言われるが、果たして本当にそうだろうか?
人間の脳は爬虫類脳である大脳辺縁系から哺乳類脳と呼ばれる大脳、そして大脳新皮質という人間が人間である為の「道具」を得る事で進化してきた。
昨今のSNSの投稿を見ていると、原始的な感情のみが暴走し、本来それを抑制するはずである思考回路は機能している様に見えない。
よく、インターネットの構造は脳の神経回路に似ていると言われるが、それはあくまで表面的なものであって、偏桃体から発せられた本能的な言葉が、大脳新皮質によって制御される様な三位一体脳の構造は持ち合わせていない。
だから、怒りや恐怖、悲しみなどの本能的でネガティブな感情に基ずく投稿は抑制される事なく拡大、拡散していく。
それは本音などではなく、原始的な感情の暴走にすぎないんじゃないか?
そしてそれは、構造的に不可避なもので、これを続ける事は本能を抑制する機能を手放す訓練に他ならないんじゃないか。
つまり、今のSNSは脳構造を人間から哺乳類、爬虫類へと退化させる装置なんじゃないかと思えてくる。