世界の現状について
コロナの震源地は、中国、日本、欧州を経由して現在はアメリカだ。今後の世界の動向を占う為にも、アメリカの動きを注視する必要がある。
アメリカ国内では現在NYが最も感染者数が多く、いち早くロックダウンの体制に入ったが、今後他の大都市においても同様の事態に陥る可能性は否定できない。
何故アメリカは50兆円もの破格の経済対策を打ち出せたのか?
破格の経済対策の目的は、もちろん窮地の国民を救う事だろう。しかし、その裏でアメリカが最も恐れている事態は、社会秩序の崩壊である事は間違いない。
経済活動が停止した状態でまず行き詰るのは貧困層だ。今はまだ感染リスクを警戒して活動自粛している彼らも、食料の入手が困難な状況にまで追い込まれれば、止む無く暴動や略奪の行為に走るだろう。それはこれまでの歴史を振り返れば容易に想像できる。
そしてそのタイムリミットはほんの数週間、いや数日かも知れない。
超格差社会で抑圧されてきた彼らの怒りの矛先は富裕層へと向かう。コロナ対応で飽和状態に追い込まれたアメリカ政府は、国内の治安維持に十分なリソースを割けなくなる可能性もある。
富裕層にとっては、コロナショックによる経済的な損失よりも、秩序崩壊で被る被害の方が甚大だ。
息を吹き返す反社会勢力
ここ数年は大きな事件もなく沈静化していたテロ活動も、混乱に乗じて息を吹き返す可能性が高い。
彼らテロリストにとってコロナ感染のリスクなど何の抑止効果もないだろう。
また、長年に渡って貧困層に蓄積されたフラストレーションがこの機会に爆発し組織化されれば、武力蜂起から内戦が起きる可能性も否定できない。
今後予想される最悪のシナリオとは?
社会秩序の崩壊は、アメリカのみならず感染爆発を起こしている各国も同様にそのリスクを抱えている。
経済活動停止の状態が長引けば、食料や電力の供給、通信などの最低限の社会インフラの維持が難しくなる。
平時であれば、一部地域で混乱が起きれば他国の助力を得てこれを鎮圧する事もできたが、主要国全てで同様のリスクを抱えている今、問題は自国内で処理するしか手はない。
コロナの感染拡大が収まったとしても、一旦社会秩序が崩壊してしまえば、これを立て直すまでには相当の時間を要する事になる。
日本が聖域化する未来?
現在主要国の中で日本だけが特例的に感染爆発を抑え込んでいる。
ここ数日、感染者数の増加率は上がっているものの、他の主要国と比較すればまだ一桁二桁少ない状況だ。
各国で秩序崩壊の状態が続けば、国内での混乱を避けるために安全な地域へ避難する動きも出てくるだろう。
そうなったとき、主要国の中で唯一日本だけが秩序崩壊を免れ、治安を維持できていれば、世界中から人材、資本などのリソースが集中する可能性もある。
このまま日本が感染爆発を抑え込み、主要都市のロックダウンを回避できれば、パンデミック終息後も混乱の続く各国を横目に、日本だけが一早く立ち直って政治的、経済的なイニシアチブを握る事も不可能ではない。